過去に自分で仕上げた鑑定文から言葉選びや文章のリズムを整理し、新しい鑑定でも自分らしい文体を保つ方法を紹介します。
参考にする過去文
- ・自分で確認して納品した文章
- ・今後も残したい言葉がある文章
- ・相談者の固有情報を外した文章
取り出す文体の特徴
- ・書き出しと相談者との距離
- ・文の長さ・改行・説明の順番
- ・よく使う言葉と締め方
新しい鑑定での確認
- ・過去の相談内容を流用していない
- ・今回の結果と解釈が中心にある
- ・本人が普段使う言葉で読める
皆さん、こんにちは。「占いの秘書」運営の森川です。
私はこれまで、ライターとして10年、開発者として10年仕事をしてきました。「占い師の知恵と実務」では、その経験を活かし、占い師の皆さんの活動に役立つ知識と実践方法をお届けしています。
今回は、過去に自分で仕上げた鑑定文を手がかりに、AIを使っても自分らしい文体を保つ方法を考えます。
文体は、語尾だけでは決まらない
自分らしい文体を説明しようとすると、「やさしく」「丁寧に」「寄り添うように」といった言葉が最初に浮かびます。どれも大切ですが、それだけでは多くの占い師に当てはまり、自分の文章との違いまでは伝わりません。
文体には、相談をどの一文で受け止めるか、結果をどの順番で説明するか、一文をどれくらいの長さにするか、厳しい内容の前後へ何を置くか、最後にどんな距離感で声をかけるかまで含まれます。
AIへ文体を伝えるときも、形容詞を増やすより、自分が実際に書いた文章から具体的な特徴を見つけるほうが再現しやすくなります。過去の鑑定文は、相談内容の記録であると同時に、自分の書き方を確認できる資料です。
POINT
残したいのは過去の相談内容ではなく、言葉の選び方、説明の順番、文章のリズム、相談者との距離です。
参考にするのは、自分が納品を決めた文章
文体の見本には、書きかけの下書きではなく、自分で読み直し、相談者へ渡してよいと判断した最終版を選びます。AIが最初に出したままの文章より、自分で語尾や言葉の強さを直した文章のほうが、残したい基準を表しています。
相談テーマは一つに偏らせすぎず、恋愛、仕事、人間関係など、普段扱う範囲から選びます。テーマが変わっても共通して現れる書き出し、説明の順番、声のかけ方が、その人の文体として見えやすくなるからです。
過去文を使う前に、氏名、連絡先、勤務先、固有の出来事など、本人を特定できる情報を外します。文章の特徴を確認するために、相談者の詳しい個人情報まで残す必要はありません。
過去文から、五つの軸で特徴を取り出す
文章全体を何となく眺めるだけでは、文体の特徴を言葉にしにくくなります。書き出し、距離感、リズム、言葉選び、締め方の五つに分けて、複数の過去文に共通する点を探します。
たとえば、冒頭では相談者の迷いを一文で言い換えている。結果を伝える前に、安心できる見通しを置いている。短い一文を独立させたあと、理由を少し長く説明している。命令形を避け、「まずは〜から始めてみてください」と結んでいる、といった特徴です。
一つの文章にだけ現れる表現ではなく、複数の文章で繰り返している特徴を優先します。それが偶然の言い回しではなく、普段の書き方である可能性が高いからです。
進め方
STEP 1
書き出し
STEP 2
相談者との距離感
STEP 3
文の長さと改行のリズム
STEP 4
よく使う言葉と避ける言葉
STEP 5
助言と締め方
文体メモは、短く具体的な指示にする
見つけた特徴は、次の鑑定でも確認できる文体メモへまとめます。「私らしく書く」ではなく、文章を見れば守れているか判断できる言葉にします。
形容詞だけで終わらせず、どこで何をするかを書きます。「やさしく書く」なら、「厳しい結果の直後に、相談者が整えられることを一つ置く」のようにします。「読みやすく書く」なら、「一段落を三〜四文程度にし、結論の一文を独立させる」と具体化します。
文体メモを長くしすぎると、今回の鑑定内容より指示が目立ちます。最初は特に残したい特徴を三つから五つ程度に絞り、下書きを確認しながら調整します。
文体メモの例
・冒頭で相談者の迷いを一文で受け止める ・結果 → そう読める理由 → 今できることの順で書く ・短い一文と、理由を説明する長めの文を交互に置く ・『絶対』『必ず』『〜すべき』は使わない ・最後は行動を命令せず、小さな提案として結ぶ
相談内容ではなく、書き方だけを参照する
過去文を参考にするとき、以前の相談者の状況や結論まで新しい鑑定へ混ぜないことが重要です。今回使う占術結果、解釈、伝える結論は、目の前の相談について占い師が改めて決めます。
AIへ渡す場合は、「参考文の内容や人物関係は使わず、文の長さ、説明の順番、距離感だけを参照する」と範囲を明記します。過去文にある印象的な比喩や決め台詞も、今回の結果に合わなければ使いません。
文体を保つことと、同じ文章を繰り返すことは別です。変えないのは書き手としての姿勢であり、鑑定内容は相談者と結果に合わせて一件ずつ作ります。
POINT
過去文は文体の見本、今回の鑑定メモは内容の根拠です。二つの役割を混ぜないようにします。
新しい下書きは、今回の鑑定メモから作る
文章化の順番は、まず今回の相談内容、占術結果、自分の解釈、伝える結論をそろえ、そのあとで文体メモを加えます。文体から先に考えると、言い回しは似ていても中身の薄い文章になりやすいためです。
下書きができたら、過去文と一字一句似ているかではなく、相談者との距離、説明の順番、文のリズム、助言の置き方が自分の基準に合っているかを見ます。
特徴が弱ければ、全文を作り直す前に、一つの軸だけを指定して直します。「冒頭の距離感だけを見本に近づける」「助言を命令ではなく提案へ直す」のように範囲を絞ると、今回の内容を崩しにくくなります。
文体を似せるだけの使い方
- ・過去文の相談内容や結論まで流用する
- ・印象的な決め台詞を毎回そのまま入れる
- ・文章が似ていれば元メモとの照合を省く
今回の鑑定を中心にする使い方
- ・今回の結果と解釈を先に確定する
- ・構成、距離感、リズムだけを参考にする
- ・完成後に今回の元メモと照合する
「占いの秘書」で過去の鑑定文を生かす場合
「占いの秘書」では、他の媒体で自分が書いた鑑定文や、AIの下書きを自分の言葉へ編集した文章を学習素材として登録できます。未修正のAI文章ではなく、自分が今後も残したいと判断した文章を選びます。
学習素材が三件以上そろうと、共通する筆致、言葉選び、リズムなどをまとめた文体プロファイルを作成できます。新しい鑑定文では、占い師が入力した今回の結果と解釈を内容の根拠にしながら、そのプロファイルを文体の参考として使います。
これは入力した文章を外部AIモデル自体の再学習へ使う機能ではありません。登録できる件数などはプランによって異なるため、利用時は画面に表示される上限を確認してください。素材を追加・修正した場合は、必要に応じて文体プロファイルを更新します。
自動で文体を参照する場合も、最後に自分で読んで納品を決めることは変わりません。今回の結果に合っているか、過去文の内容が混ざっていないか、自分が相談者へ実際に使う言葉かを確認します。
AIで作る鑑定文に自分らしい文体を残す方法は、以前の内容を繰り返すことではありません。自分で納品を決めた文章から、書き出し、距離感、リズム、言葉選び、締め方を取り出します。
今回の結果と解釈を内容の中心に置き、過去文は書き方の見本として使う。最後に本人が読み直して納品を決めれば、効率化の中にも占い師自身の判断と言葉を残せます。
次にやること
まずは、自分で納品した過去の鑑定文を三件選び、個人情報を外したうえで、書き出し、距離感、リズム、言葉選び、締め方へ分けてください。
三件に共通する特徴を文体メモへまとめ、次の一件で今回の鑑定メモと一緒に使い、どの特徴が残ったかを確認してみましょう。
自分らしい文体は、抽象的な『やさしく』だけではAIへ伝わりにくいものです。「占いの秘書」では、過去に自分で書いた鑑定文や、下書きを自分の言葉へ直した文章を学習素材として登録し、次回以降の文章化へ生かせます。まずは文体の特徴を言葉にして試してみてください。
以下のサンプル文をコピーして、作成フォームの「占術結果・伝えたいこと」の欄に貼り付けてください。過去文から取り出した文体メモを、新しい相談内容の下書きへ反映する例を試せます。
サンプル文
相談者: 30代女性。今の仕事を続けるか迷っている。 占術結果: 現状は隠者(正)、強みは女教皇(正)、今後の流れは星(正)。 私の解釈: 今は外の評価より、自分が納得できる働き方を静かに整理する時期。情報を集めながら希望を具体化すると、次の方向を選びやすい。 伝える結論: 退職を勧めず、考えを整理する時間と小さな準備を提案する。 文体メモ: 冒頭で相談者の迷いを一文で受け止める。短い文と長い説明文を交互に置く。『焦らなくて大丈夫です』のように安心できる一文を独立させる。最後は行動を命令せず、『まずは〜から始めてみてください』と結ぶ。 禁止: 過去の相談内容や固有表現をそのまま流用しない。新しい結果や時期を追加しない。

